てぃーだブログ › あひる日和 › 動物 › サウンド オブ サイレンス

2011年10月30日

サウンド オブ サイレンス

 早朝からハブ対策。気のせいか、穏やかな空気が流れている。秋風はさわやか。おや、チビ雛が二羽増え、合計、八羽の黄色の小鳥がピイピイ騒がしい。
 苦笑いを浮かべている私。なんだか、可笑しくなってくる。5月の雛の誕生はパレード状態。いっぺんに15羽、そして、8羽と、親たちは大忙しで世話に追われていた。けれど、今回は少子化。どうしてだろうか?きっと、人間、私に卵を取られたくないので、数個産んで、すぐさま座ったに違いない。飼い主を出し抜いたのだ。 小さきものは いと可笑し、だったけな?枕草子の一文だったような気がする。8羽が揃って日向ぼっこ。見ているこちらもなんだか平和な気分になる。
 (今日は、モグラの穴を見つけ埋めたんだから、もう休憩しよう)と、時計を見ると、11時。お昼には早いけれど小屋を後にする。
 近くのケンタッキー、ベンチ式の長椅子にヨイショと陣取る。見ると、壁際に文庫本が置き忘れられている。
 サミエル・ハンチントン「文明の衝突」だった。手に取り読み始めた。なるほど、今なら理解できる。フム、フム、と、頷き、そして、反発を覚える箇所を、赤の 他人の本なのに、折り曲げたりしている。とうとう、4時近くまで一挙に読んでしまった。
サウンド オブ サイレンス 話題になった頃、白人支配の世界戦略を意図したタイトルに反発を覚え、結局、買わなかった。ところが、大きな本屋に行くと、必ずといっていいほど目にするので、時折、ページをめくっていたのだ。著者の意見では、東西冷戦後は、二代パワーの構図から、アメリカ一極と多極の共存になり、世界の7つ、あるいは8つの境界で文明の衝突が起こるという意見なのだ。まさか、ハンチントンは、9・11までは予測しなかったはずなのに、イスラムの反撃は起こった。彼の描く世界は、中国の台頭とイスラムの復興らしい。確かに、そうだろう。けれどどうしても気になるのは、前提として、アメリカの軍事ありきで、”世界の警察官”は止めたほうがいいが、主導権は保持するという信念は揺るぎないないのだ。つまり、武力衝突こそ、人間の存在の”意味”、そんな視線を感じてならない。あからさまではない、知的説得力で、その偏見の眼差しをベールで覆い隠している。
 急いで、畑のかたずけ、そして餌やりをこなし、読書の余韻に浸っていると、
「お母さん、案山子が立っている、ほら」と、賑やかな声が聞こえてきた。(あらま、私のことだ、、、)そう思い、期待に答えてそのままの姿勢を崩さずにいた。そして、振り返ったお母さん、「すみません、子どもが」と慌てている。
 夕暮れの秋の風景の中。そっと手を振る、案山子になっていた。
  


同じカテゴリー(動物)の記事
アヒルの決闘
アヒルの決闘(2011-12-20 21:23)

アヒルの春?
アヒルの春?(2011-11-30 23:49)

アヒルのストレス?
アヒルのストレス?(2011-11-26 22:15)


Posted by あひる日和 at 20:59│Comments(0)動物
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。