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2011年06月10日

アヒル、そして、ストロスカーン

 なにやら、ピーピーと騒がしい。アヒル小屋に近づくと、物々しい気配が漂っていた。原因はすぐ分かった。ネットの網に足をひっかけ、逆さ吊りになった、一羽の雛の姿が視野に飛び込んできたのだ。昨日と、同じだ。そろそろ、親の庇護から離れ始めた雛たちはそれぞれに冒険を始めているのだ。昨日の窮地の雛は、チャチな造りの小屋の、ポールと金網の隙間に入りこんで出れなくなっていた。その前で、母親がオロオロしているので、さっそく助け舟を出すために近づいた。
 驚いたのは、その時である。なんと、6羽の成鳥のアヒルたちが、大きな嘴を広げ、今にも襲いかかってきそうだ。小さい雛たちまでも一斉に鳴き始めた。非難の大合唱、小屋の中は聞いたこともない獣の声、アヒルの絶叫、というのだろう、まったくパニック状態だった。
 ただただ恐れをなし小屋を出た私は、仕方なく、小屋のそとから、ペンチで、金網を切り、小屋の柱の一部を歪め、閉じ込められた雛のために、脱出路を作ってやった。その間も、アヒルたちは、あらんかぎりの力でで、鼻息荒く、私に嘴を向け、威嚇してみせる。
 ピューと、開いた隙間から、雛が脱出したとたん、静けさがもどったものの、彼らは、私の救出行動に感謝する様子はまったく感じられない。DNA

 騒ぎの後、なんと、ボスもプリンスも、子育てに忙しい親鳥の尻を追いかけ、またがっている。家畜としてのDNAに刷り込まれた、人間不信に、飼い主としてげっそりした。これじゃ、卵を取るのだって苦労するぞ、、、疲れをドッと覚え、座りこんでいると、Kさんが人形を抱いた姿で現れた。
「アヒルって、ストロスカーンみたい」と、いきなり、彼女好みの話題で切りこんできた。
「え?ストロスカーンって、IMFの?同じレイプでも、アヒルはバック、ストロスカーンはオーラルだから、生殖抜きだし、罪深いし、いっしょにしたら、アヒルさんに悪いですよぉ」と、私は抗議。
 先週も、この話題で二人とも盛り上がった。権力者の力の鼓舞、凄いし、アヒルのボスと同じだと頷きあったのだ。ところが、一週間目、アヒルたちの生存確率を守ろうとする”セクシャルな営み”と、ストロスカーンはまったく違う、そうなってしまった。人間のボスは、差別的な行為でそれをしたのだ。妻も、援護している。そうすることで、自分の優位さを守っている。
 時々、思う。女は、同じ女性を、性の道具として、”他者化”する。そして、アヒルの性を利用して、食を確保 しようとしている、自分は、どうなんだろうか、と。
 今日も、二人悩んでいる。
アヒル、そして、ストロスカーン




Posted by あひる日和 at 22:56│Comments(0)
 
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