てぃーだブログ › あひる日和 › 動物 › ハンサムウーマン

2011年05月20日

ハンサムウーマン

 時々訪れる可愛い女の子。空手道場に通う途中のようだ。いつも、白い胴着(?)を着て勇ましい。心配してくれているのだろう。必ず、見守るように、アヒルたちを見ている。その彼女が、
「オバサン、しゃっくりが止まらない」と本日、開口一番訴えた。近くに寄り、
「こうやって、空気をゴックンしてごらん」と、大げさに空気を口に含み、そして、いっぺんに呑み込んでみせた。すると、さすがに空手できたえた子どもらしく、
「できた!水を飲まなくても止まるんだね、ありがとう」と笑顔をくれた。どうやらこの瞬間、私は信頼されたようだ。
「ねぇ、アヒルさん、毎日、泥水飲んでいるよ」と、嘴を真似ているのだろう、首と唇を突き出し、「こうやって、何度も口を突っ込んでいるよ」と説明した。
「たぶん、虫を探しているのかも」と私.
「ふぅん、アヒルは虫が好きなんだ。魚も、プランクトンが好きなんだって」と女の子。
「あなた、何才?」「7才」「へぇ、物知りだね、学校で習ったの?」「ううん、テレビでやっていた」
「そうなんだ、すごいねぇ、テレビでお勉強するんだね」「うん、ミミズは土をきれいにするって、でも、今日、男の子たちが、道にいる、こんな大きいミミズを踏みつぶしよった」「しょうがないねぇ、男の子たちは、みんなでつるんで悪ガキするの好きだからさ」「悪いこと?どうして?」「うーん、どうしてだろうねぇ、難しいねぇ」
 女の子は答えを求めているのだろう。真剣なまなざしを私に送ったまま。
「ほら、このアヒルたち、全部で6羽いるでしょう、でも、オスが喧嘩したり、悪くならないように、オスは一羽だけ、この方がいいんだって、でも、学校では、男子も女子も半分づつ。だから難しいよね、女子たちがしっかりしているでしょう」
「うん、女の子の方が成績もいいよ、空手も女子が強いし」
「そうだね、女の子は頑張らなくちゃ、じゃ、お稽古、頑張ってきてね」
 テーマが深みに入って、いつも私の悪い癖が出て、フェミズム論をぶち上げるとまずいので、私は、可愛い女の子に、これ以上はないほどの慈愛に満ちた(???)サヨナラをした。
 ところで、空手を習う女の子は別に不思議でもない。今朝、お笑いタレントのナントカさんが、ボクシングのオリンピックをめざしている、そのことをテレビ画面が激励していた。強い女はブームらしい。世の中、変わったらしい。女性が同姓誉める時、「あの人、ハンサムね」、そう言うそうだ。
 草食系男子にまさか、肉食系女子ではあるまい。けれど、このジェンダーの境界はますます複雑になりそう。今朝、岡本太郎の不思議な絵をみつけた。大きなリボンの頭(顔が無い)に、筋肉隆々の腕の絵だ。驚いてしまう。あの巨匠のタローさん、自分の性的アイデンティティーを葛藤していたのだろうか?それとも、天才は100年先を予想できるらしいから、太郎さんの絵のように、筋肉マンが頭に顔を覆うほどのリボンを飾るのかな。
 あの可愛い女の頭良さそうだから、”アイデント”と、”ティティー”の物語、きっと、オス一羽の理由を質問しそうだ。まさか、岡本太郎の絵を見せるわけにはいかないし、、、。
 そんなことを考えていると、あら、びっくり!一羽のメスが羽を広げ、胸を膨らませ、威嚇のポーズを取った。あれれ?近づいて、ひぇ、あなた、オス、だったのぉ!なんと、てっきり、ボス1羽に5羽の腰元かと思いきや、そのうちの一羽は子どものオスだったのだ。
 じぃっと観察してみる。なるほど、顔の隈どりというか縁取りは、丸いカーブではなく、その形はひし形の角度がつき始め、なんとなく、目つきもふてぶてしくなっている。
 どうりで、一羽のメスは背中の羽がいつも綺麗だった。(お前、オスが乗っからないの?魅力が無い?それとも、ボスが嫌い?)などと、一人勝手に質問していた。今日デビューの顔を撮影しようとしたが、シャッターチャンスが皆無。
 代わりに、岡本太郎の絵、京都市立美術館に飾られているらしいのだが、本物をみたことが無いので勝手にイメージして書くことにした。
ハンサムウーマン




同じカテゴリー(動物)の記事
アヒルの決闘
アヒルの決闘(2011-12-20 21:23)

アヒルの春?
アヒルの春?(2011-11-30 23:49)

アヒルのストレス?
アヒルのストレス?(2011-11-26 22:15)


Posted by あひる日和 at 20:24│Comments(0)動物
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。